売る・手放す実務的意思決定ガイド公開日: 2026年8月16日

【不動産の買取と仲介の違い】どっちが得?手取りシミュレーター・6大比較・判断基準を徹底解説

不動産を売却する際、広く一般の買主を募る「仲介」と、不動産会社に直接買い取ってもらう「買取」のどちらを選ぶべきか悩む方は少なくありません。 「額面の売却価格」だけで比較すると仲介が有利に見えますが、仲介手数料・解体費・残置物処分費・売却までの維持費、そして売却後の契約不適合責任(旧瑕疵担保責任)を差し引いた「実質手取り額とリスク」で比較すると、結論は物件の状況によって大きく変わります。 本記事では、両者の仕組み、損益分岐点シミュレーター、意思決定フロー、法令根拠に基づく実務ポイントを徹底整理しました。

仲介と買取の違いを知ったら、4つの売り方を同じ軸で比べる

この記事は仲介と買取の仕組みの違いの解説です。現況仲介・古家付き土地・解体後売却・買取の4ルートを提示価格・契約条件・残置物・引渡しで比べる売却ルート選択は、専用の判断ページが正本です。

空き家の売り方を比べる判断ページへ進む →

1. 「仲介」と「買取」の根本的な仕組みと取引構造

不動産を売却するルートは、法律上および取引構造上、大きく「仲介(媒介)」「買取(直接売買)」の2種類に分かれます。

仲介(媒介)の仕組み取引相手: 個人買主

不動産会社が「買主を探すパートナー」になる

不動産ポータルサイト(SUUMO・HOME'S等)やレインズ(指定流通機構)に物件情報を公開し、一般個人の買い手を広く募集します。 不動産会社は「媒介契約」に基づき販売活動を行うため、成約時には宅地建物取引業法第46条に基づく仲介手数料(売買価格の3%+6万円+税等)が発生します。

📌 特徴: 市場の最高価格で売れる可能性があるが、成約まで平均3〜6ヶ月かかり、売れ残るリスクがある。
買取(直接売買)の仕組み取引相手: 不動産業者

不動産会社自身が「買い手」となって即時購入する

不動産買取専門会社が買主となり、売主と直接「売買契約」を締結します。 第三者を探す仲介業務が存在しないため、仲介手数料は完全に0円です。 業者は物件のリフォームや解体・再販売を前提として買い取るため、価格は市場相場の約70〜80%程度となります。

📌 特徴: 価格は2〜3割下がるが、最短数日で即現金化でき、残置物片付けが不要で、売却後の瑕疵責任も原則免除されます。

2. 「仲介」と「買取」の決定的な違い 6項目徹底比較

売却価格、現金化までの期間、仲介手数料、室内の荷物処分・解体費用、契約不適合責任、プライバシー保護の6大項目で、仲介・買取・買取保証を比較します。

手法比較仲介・買取・買取保証

「仲介」と「買取」の決定的な違い 6項目比較表

売却価格・現金化までのスピード・手数料・室内の荷物・売却後の瑕疵責任など、実務上の重要項目を整理しました。

仲介(一般市場売却)

高値狙い
売却価格の目安市場相場の100% (最高値を目指せる)
現金化までの期間3ヶ月〜6ヶ月以上 (買主探索に時間要)
仲介手数料約3.3% + 6.6万円 (宅建業法上限)
主なメリット

ポータルサイト等で広く一般買主を募集するため、相場の最高価格で売却できる可能性が高い。

デメリット・注意点

買い手が見つかるまで長期間を要し、売れ残りによる値下げや内覧対応・広告の手間が発生する。

おすすめ: 時間に余裕があり、立地が良く築年数が比較的新しい物件を少しでも高く売りたい場合

買取(不動産会社直接買取)

即時現金化
売却価格の目安市場相場の約70〜80% (再販経費・利益分減)
現金化までの期間最短3日〜2週間 (即時決済可能)
仲介手数料0円(不要) 売主と買主の直接取引
主なメリット

仲介手数料が不要で、残置物処分や解体費用をかけずに即現金化。売却後のクレームリスクも免責特約で原則回避できます。

デメリット・注意点

買取業者がリフォーム再販費用や利益を見込むため、仲介相場よりも2〜3割程度売却額が低くなる。

おすすめ: 築古・雨漏り・再建築不可物件、荷物が多い実家、または期限内に確実に現金化したい場合

買取保証付き仲介

両取りプラン
売却価格の目安仲介期: 100% 未成約時: 70〜80%
現金化までの期間期限設定(例: 3ヶ月) 期日までに確実決済
仲介手数料仲介成約時のみ発生 (買取移行時は不要)
主なメリット

一定期間(1〜3ヶ月)は仲介で高値売却に挑戦し、売れ残った場合のみ事前に取り決めた価格で買い取ってもらえる。

デメリット・注意点

買取保証額は通常の直接買取よりやや保守的になる場合があり、対応できる不動産会社が限られる。

おすすめ: 買い替え期日や納税期限があり、期限ギリギリまで高値売却を狙いつつリスクヘッジしたい場合

3. 実質手取りシミュレーター(仲介 vs 買取)

額面価格だけでなく、仲介手数料(宅建業法上限)、更地解体費、残置物処分費、売却までの固定資産税・維持費、譲渡所得税を反映し、「最終的に口座に残る現金(手取り額)」の損益分岐点をシミュレーションします。

SIMULATOR実質手取り・諸経費・期間の自動比較

「仲介」vs「買取」手取り額・諸経費シミュレーター

仲介手数料・解体費・残置物処分費・保有期間中の維持費・譲渡所得税をすべて反映し、 「額面価格」ではなく「最終的に手元に残る現金(実質手取り額)」の差を試算します。

300万円4,000万円8,000万円
60%(訳あり・古家)75%(標準相場)90%(好立地・マンション)

③ 仲介売却時にかかる想定期間・自費負担

4ヶ月間の保有維持費累計: 10 万円
万円
万円
④ 取得費設定
COMPARISON RESULT実質手取り試算

実質手取り額の差(仲介 − 買取)

+487.2 万円

💰 仲介の方が約487.2万円手取りが多くなる試算です。時間に余裕があれば仲介が有利です。

仲介(市場売却)高値狙い
売却価格3,000
仲介手数料105.6
解体・残置・修繕30
保有維持費(4ヶ月)10
譲渡所得税551.4
実質手取り2,303 万円
⏱ 期間: 約4ヶ月〜
🛡 責任: 原則3ヶ月負担
🧹 荷物: 売主片付け
買取(業者直接)即現金化
買取価格(75%)2,250
仲介手数料0 円
解体・残置物0 円(業者負担)
保有維持費0 円(即決済)
譲渡所得税434.2
実質手取り1,815.8 万円
⏱ 期間: 最短3日〜2週間
🛡 責任: 原則免責
🧹 荷物: 現状そのままでOK

※仲介手数料は宅地建物取引業法に基づく法定上限額です。税額計算は長期譲渡所得税率(20.315%)に基づく概算です。実際の税額および査定額は物件状況や個別事情により異なります。

4. あなたはどっち?「仲介 vs 買取」意思決定セルフチェック

現金化の期日、建物の築年数・劣化状態、手元資金の余裕、売却後の瑕疵トラブルへの許容度など、実務で重要となる5つの基準から最適な選択肢を導き出します。

DECISION FLOW

あなたに合うのはどっち?「仲介 vs 買取」セルフ診断

5つの質問に答えるだけで、物件状況やご希望に応じた最適な売却ルートを判定します。

質問 1

売却・現金化までの希望スケジュールは?

住み替え資金の支払期日や相続税納税期限(10ヶ月以内)などの制約を基準に判断します。

質問 2

建物の状態・築年数は?

一般の買い手が住宅ローンを組んでそのまま住めるかどうかが重要な分岐点です。

質問 3

室内の家財道具(残置物)や解体工事の自費負担は?

仲介の場合は原則売主が片付けを行い、古家の場合は更地解体を求められることがあります。

質問 4

販売活動(ネット広告・看板設置・内覧対応)は可能?

仲介はSUUMO等のポータルサイトへ掲載されます。買取は内見1回のみで広告なしです。

質問 5

引渡し後の「契約不適合責任(旧瑕疵担保責任)」への不安は?

個人間売買では引渡し後に雨漏り・シロアリが発覚すると修繕費用を請求されるリスクがあります。

※すべての項目(5問)を選択すると、詳しい診断結果とアドバイスが表示されます。

5. 損をしない売却手法選びの「4ステップ実行手順」

机上査定での相場把握から実質手取り試算、条件決定、売買契約・引渡しと翌年の確定申告までの正しい進め方を解説します。

実務フロー査定から決済・申告まで

損をしない売却手法選び「4ステップ実行手順」

机上査定での相場把握から実質手取り試算、条件決定、売買契約・引渡しまでの具体手順をまとめました。

01
相場把握

複数社による机上査定で「仲介相場」と「買取相場」の両方を取得する

まずは物件の正確な市場価値を把握します。不動産会社へ査定を依頼する際、「仲介での売出想定価格」と「直接買取の場合の提示価格」の2パターンを同時に提示してもらうことが重要です。

📌 実務上の重要ポイント
  • 大手不動産会社と地域密着型専門業者の両方に査定を依頼する
  • 仲介査定額が根拠のある適正価格か(高すぎる査定は売れ残りリスク)を確認する
  • 買取査定額に荷物処分費や解体費が含まれているかを明細で確認する
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02
手取り試算

諸費用・解体費・税金・保有コストを引いた「実質手取り額」を比較する

額面の売却価格だけでなく、仲介手数料、残置物撤去費、建物解体費、売却までの固定資産税・維持費、そして譲渡所得税を差し引いた実際の手元資金を算出します。

📌 実務上の重要ポイント
  • 仲介手数料(売買価格の3%+6万円+消費税)を正確に計算する
  • 自費で片付ける場合の荷物処分費(20万〜80万円)や解体費(100万〜300万円)を計上する
  • 売却までに半年〜1年かかった場合の固定資産税や管理費の持ち出しを考慮する
💡 仲介価格が3,000万円・買取価格が2,300万円の場合でも、仲介手数料約105万円+解体費200万円+残置物50万円+半年分の固定資産税等を引くと、手取り差は大幅に縮まります。
03
条件確認

期限・契約不適合責任免責・引渡し条件の優先順位を確定する

いつまでに現金化が必要か、売却後に雨漏りやシロアリ等のトラブル責任(契約不適合責任)を負う精神的・経済的余裕があるかを整理し、仲介か買取かを決定します。

📌 実務上の重要ポイント
  • 相続税納付期限(相続開始から10ヶ月)や住み替え決済日までの猶予を確認する
  • 築年数が30年超の古家の場合、契約不適合責任免責での売却が可能か確認する
  • 「まずは3ヶ月仲介で高値を狙い、売れなければ買取に切り替える(買取保証)」の可否を検討する
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04
契約・決済

売買契約の締結・残代金決済および確定申告の準備を行う

買取の場合は最短数日〜数週間で売買契約および代金決済が完了します。仲介の場合は買主探索、購入申込、住宅ローン本審査を経て契約・引渡しとなります。売却翌年には確定申告を行います。

📌 実務上の重要ポイント
  • 買取契約時は仲介手数料が0円になっている売買契約書であることを確認する
  • 売却益(譲渡所得)が生じる場合は、3,000万円特別控除や取得費加算特例の適用要件を確認する
  • 売却完了後、固定資産税の精算書や領収書、契約書を保管し翌年2月16日〜3月15日に確定申告を行う

📋 不動産の仲介査定・買取相談で用意すべき必要書類一覧

  • 登記識別情報通知書または登記済証(権利証):所有権の確認
  • 土地・建物の登記事項証明書(登記簿謄本):権利関係・抵当権の有無確認
  • 公図・地積測量図・建物図面(法務局取得):敷地境界と建物配置の確認
  • 固定資産税・都市計画税の納税通知書および課税明細書:評価額・税額の確認
  • 建築確認済証・検査済証・設計図書(あれば):建物の適法性・構造の確認
  • 身分証明書・実印・印鑑証明書(契約締結時):売主本人の本人確認用

7. 不動産の「仲介」と「買取」よくある質問(FAQ)

相場や諸経費、買取保証、荷物の取り扱いなど、実務現場でよくある疑問について法的手続きに沿って解説します。

Q&A実務の疑問と落とし穴

不動産の「仲介」と「買取」よくある質問(FAQ)

買取相場が仲介より安い理由、仲介手数料ゼロの仕組み、契約不適合責任免責、残置物そのまま引渡しまで実務の疑問に回答します。

A

買取業者は買い取った物件をそのまま保有するのではなく、リフォーム・解体工事・残置物撤去・測量などを行い、再販売して利益を得るビジネスモデルです。そのため、①建物のリノベーション・修繕費用、②登記費用・不動産取得税などの諸経費、③再販時の販売促進費・仲介手数料、④業者の適正利益(約10〜15%)があらかじめ買取価格から差し引かれるため、市場相場の7〜8割前後の提示となります。その代わり、売主は仲介手数料や解体費・修繕費を一切負担する必要がありません。

📌 要点: 差額の2〜3割には、業者が負担するリフォーム費用・解体処分費・税金・再販リスクが含まれています。

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