売る・手放す売却価格・駐車判定シミュレーター付き公開日: 2026年8月18日

【旗竿地・敷延】売却相場・メリット・デメリット完全ガイド:間口別の減価、竿幅2mの駐車判定、隣地売却交渉まで

旗竿地(はたざおち)は、細長い通路部分で公道につながる土地の呼び名で、「敷延(しきえん)」「敷地延長」とも呼ばれます(とくに近畿圏)。本記事では、国税庁の評価ルール(間口狭小補正率・奥行長大補正率)で裏づけられた相場の仕組み、建築基準法43条の接道要件と再建築可否、竿幅2mでの車種別駐車判定、水道・ガスの引き込み延長と重機搬入ができない場合の解体費、隣地所有者への水面下の売却打診と交渉ステップまでを公的資料に基づいて整理します。

1. 旗竿地(敷延)とは:呼び名の違いと、評価ルール上の位置づけ

旗竿地とは、旗の形になぞらえた土地形状の呼び名です。細長い通路部分(竿・旗竿)が公道に接し、その奥に方形の宅地部分(旗の部分)が広がります。「敷延(しきえん)」「敷地延長」と呼ばれることもあり、とくに近畿圏の不動産取引実務では「敷延」の語が広く使われます。呼び名の違いだけで、土地の実態は同じです。

一方、公的な評価ルールである国税庁「財産評価基本通達」では「旗竿地」「敷延」という語自体は使われず、「間口が狭小な宅地」「奥行が長大な宅地」(同通達20-4)、形状が著しくない場合を含む「不整形地」(同通達20)という区分で扱われます。つまり「旗竿地=法的な土地区分」ではなく、「間口が狭く奥行が長い不整形地」の一形態に対する業界の呼称です。売却・相続・固定資産税のいずれの局面でも、論点は共通して①間口(竿の幅)②接道(再建築可否)③奥行と地積の3点に集約されます。

🔍 この記事の3つの軸

  • 相場の正体:国税庁の補正率(間口狭小0.90×奥行長大0.90=0.81)など、公表された数字で減価の仕組みを理解する
  • 土地の強み:静かさ・プライバシー・手頃な固定資産税という実需価値を、竿幅2mの駐車判定と外構工夫で裏づける
  • 売却の選択肢:再建築可否の確認→隣地への水面下打診→一般媒介・専門買取、の順で最適な出口を選ぶ

2. 売却価格・竿幅の駐車適性シミュレーター

モードAでは、周辺の整形地相場・竿の間口・売却方法から想定売却価格を試算します(減価率は不動産実務の一般目安)。モードBでは、竿の実効幅と車種クラスの法定サイズ(軽自動車=全幅1.48m以下・小型乗用車=1.70m以下:道路運送車両法施行規則 別表第一)を比較して駐車適性を判定します。

TOOL減価率は実務目安 / 補正率は国税庁・車両規格は省令に基づき算出

旗竿地(敷延)売却価格・竿幅の駐車適性シミュレーター

モードAでは周辺整形地相場・間口・売却方法から想定売却価格を、モードBでは竿の実効幅と車種クラス(法定サイズ)から駐車適性を試算します。

500万円1億円

※国土交通省・土地総合情報システム「不動産取引価格情報」や複数社の査定を参考に入力します。

※2.0m未満は建築基準法第43条の接道要件(2m以上)を下回るため再建築不可リスクが増します。

SIMULATION RESULT

想定売却価格(実務目安)

整形地相場からの試算額

1,500 万円

整形地比 −500 万円(減価率 25% × 売却方法係数 1.00

整形地相場2,000 万円
間口別の減価率(実務目安)×0.75(約25%減)
売却方法の補正(実務目安)×1.00

公的評価ルールの参考(国税庁)

相続税の財産評価では、間口4m未満の「間口狭小補正率」は普通住宅地区で0.90、奥行距離÷間口距離が8倍以上の「奥行長大補正率」は0.90が下限です(財産評価基本通達20-4・付表6・付表7)。両方に該当する旗竿地は路線価比で0.81(約2割減)まで評価が下がり得ます。

※減価率・補正係数は不動産実務の一般目安(当サイト既報の旗竿地シミュレーターと同一値)であり、公的統計ではありません。実際の売却価格は立地・再建築可否・建物状況で大きく変わるため、複数社の査定と公的取引情報での確認が必要です。

3. 売却相場の仕組み:公的補正率で読む「2〜3割安」の正体

旗竿地が整形地より安い理由は、①建物の配置制約、②接道(再建築)リスク、③駐車・搬入の不便さ、という実用面の制約が価格に織り込まれるためです。この減価の程度を、公表された数字で確認できるのが国税庁の評価ルールです。

国税庁「財産評価基本通達」の補正率(公表値)

間口狭小補正率(20-4・付表6)
間口4m未満の宅地は普通住宅地区で0.90(高度商業地区0.85・中小工場地区0.80等、地区により異なる)。間口4〜6m未満では普通住宅地区で0.97と補正が浅くなります。
奥行長大補正率(20-4・付表7)
奥行距離÷間口距離が8倍以上で0.90(普通住宅地区は2〜3倍で0.98から段階的に低下)。細長い竿を持つ土地ほど補正が深くなります。
不整形地補正率(20・付表5)
かげ地割合等に応じ最大0.60まで補正されます。間口狭小補正率との併用時も最小値0.60が下限で、奥行長大補正率の適用時は選択により「間口狭小×奥行長大」の積で評価できます(付表5注3)。
無道路地の評価(20-3)
道路に接しない宅地(接道義務を満たしていない宅地を含む)は、計算価額から40%の範囲内で控除して評価します。竿部分が「道路」に当たらない場合は、この評価が及ぶ余地があります。

出典: 国税庁「財産評価基準書」財産評価基本通達20・20-3・20-4、付表5〜7(令和7年8月1日現在の法令・通達等に基づく)。計算例として、国税庁タックスアンサーNo.4620(無道路地の評価)は間口2mの間口狭小補正率0.90・間口2m×奥行40mの奥行長大補正率0.90を例示しています。

これら公的補正率を整理すると、間口狭小0.90×奥行長大0.90=0.81(整形地比で約2割の評価減)が一つの基準線になります。取引実務の一般目安(当サイトの集計前提)では、間口2.0〜2.5mで約25%減、2.5〜3.0mで約18%減、3.0m以上で約12%減、接道2mを割り込む再建築不可寄りの案件では5割前後まで下がるケースがあるとされます。一方で隣地への売却は例外的に高くなるルートで、隣地統合の便益を反映して整形地相場に近い水準で成約するケースがあります。実際の売却価格は立地・建物・再建築可否で大きく変わるため、国土交通省・土地総合情報システム「不動産取引価格情報」での周辺事例確認と複数社の査定が不可欠です。

旗竿地(敷延)のメリット・デメリット整理

メ リット(実需への訴求点)

  • ・前面道路から奥まっているため静かさ・プライバシーが高い
  • ・評価額が低く算定されるため固定資産税が軽い傾向(地方税法373条の標準税率1.4%適用の評価額ベース)
  • ・整形地より購入価格が手頃で、建蔽率・容積率の条件次第ではゆったり建てられる
  • ・隣地にとっては敷地拡張・整形化の価値がある(売却交渉の材料)

デメリット(確認と対策が必要)

  • ・竿の接道が2m未満だと再建築不可リスク(建築基準法43条1項)
  • ・竿幅によっては駐車・搬入が困難(車種選択と外構工夫が必要)
  • ・水道・ガスの引き込み延長や重機搬入不可の場合の解体費上乗せ(公定価格なし・見積制)
  • ・境界トラブル(塀の所有・越境)が起きやすい形状

売却戦略の要諦は、デメリット側を「確認・資料化」で潰しながら、メリット側(静かさ・プライバシー・税負担の軽さ)をターゲット(子育て世帯・テレワーク世帯・建て替え前提の実需)に届けること、そして値下げ以外の出口(隣地売却・専門買取)を必ず検討することです。間口別の減価・手取りの詳細試算は、当サイトの 「旗竿地(敷延)の売却相場と手取りシミュレーター」 でも詳しく解説しています。

4. 竿幅2mギリギリの駐車:車種別の法定サイズと外構の工夫

竿幅2.0mは、建築基準法第43条第1項の接道要件(2m以上)の下限にあたる一方、駐車の観点では「軽自動車なら成立、普通車は厳しい」境界線です。車のサイズは法律で定められています。道路運送車両法施行規則 別表第一では、軽自動車(4輪)は全幅1.48m以下・全長3.40m以下、小型自動車(いわゆる5ナンバー)は全幅1.70m以下・全長4.70m以下と規定され、道路運送車両の保安基準第2条はすべての自動車の幅の上限を2.5mとしています。

車種クラス法定全幅竿幅2.00mとの余裕実務上の目安
軽自動車1.48m以下(全長3.40m以下)+52cm(片側26cm)通行・収容の余地あり。乗降は片側ずつ
小型乗用車(5ナンバー)1.70m以下(全長4.70m以下)+30cm(片側15cm)直進通行は可能。乗降は困難
普通乗用車(3ナンバー)上限2.50m(実車は車検証で確認)車種による全幅1.80m級でも+20cm。通行自体が厳しい

※法定値はドアミラーを含みません。乗降余裕(片側40cm以上で乗降可等)は外構実務の一般目安です。保管場所の制度上の要件は車庫法施行令第1条「道路から自動車を支障なく出入させ、かつ、その全体を収容することができるもの」(車庫法第2条3号の「保管場所」=車庫・空地その他通常保管のための場所)です。

外構の工夫次第で実効幅は変えられます。実務でよく取られる対応は、①門柱・塀を敷地内側へ後退させる、②開き門を引戸・シャッターに変更する、③門柱を細い意匠にして柱の占める幅を減らす、④屈折する竿にはミラー(鏡)を設置して視界を確保する、⑤車両は軽自動車に寄せる、の組み合わせです。売却時には、これらの工夫済み箇所と実効幅の実測値を資料化して物件案内に反映すると、購入検討者の「停められるのか」という最大の不安を減らせます。車庫証明の位置図・配置図には保管場所の平面の寸法と道路の幅員の明記が必要です(車庫法施行規則第1条2項3号)。

5. 隣地への売却打診:水面下交渉のステップと価格形成

旗竿地の最有力の売却先は、往々にして手前の整形地の所有者(隣地オーナー)です。隣地にとって旗竿地の買取りは「自宅敷地を広げて整形化する」便益があるため、一般市場の旗竿地相場(実務目安で整形地の7〜8割程度)に対し、整形地相場に近い水準(同目安で8.5〜10割)で成約する可能性があるルートです。逆に言えば、一般媒介で隣地に買われるのを待つより、先に水面下で打診する方が高く売れます。

水面下打診の4ステップ(実務の順番)

  1. ① 境界を確定させる

    登記・公図・測量図を確認し、未確定なら土地家屋調査士による境界確定測量を済ませます。境界が曖昧なままの打診は交渉を停滞させます。あわせて隣地との越境(塀・雨樋・樹木・配管)を洗い出します。

  2. ② 不動産会社経由で意向確認する

    売り出す前に、仲介を依頼する不動産会社から隣地へ「買取りの意向と価格帯」を水面下で確認します。直接交渉は感情的な対立(「売る気があるのか」「安く買おうとしている」)に発展しやすいため、第三者を挟むのが原則です。

  3. ③ 整形地化の価値を価格に反映して交渉する

    隣地側にとっての便益(敷地の拡張・間口の確保・建て替え選択肢の増加)を踏まえた価格を提示します。公共用地の取得と異なり私人間の取引価格は自由ですが、公的評価(路線価と補正率)と周辺取引を根拠にそろえると合意が形成されやすくなります。

  4. ④ 契約・移転登記(合筆の検討)

    条件が合えば売買契約を締結し所有権移転登記を行います。隣地が自地との合筆を望む場合、登記実務上の要件(同一所有者・地目の同一性等)の確認を司法書士・土地家屋調査士に依頼します。測量・登記の費用負担は交渉項目です。

隣地との関係を整理する背景知識として、囲繞地通行権(民法第210条〜第212条)があります。他の土地に囲まれて公道に通じない土地(袋地等)の所有者は、囲繞地を通行でき(210条)、通行の場所・方法は「損害が最も少ないもの」を選び(211条)、償金を支払わなければなりません(212条)。旗竿地自体は通路を所有しているため通常は袋地ではありませんが、竿が「道路」に当たらない場合の通行権の成否は隣地との交渉力と価格に影響します。この境界の法律問題は、当サイトの 「再建築不可土地の売却戦略」 でも詳しく扱っています。

打診が不調だった場合も、隣地が「将来買い増す候補」であることに変わりはありません。媒介契約時に「隣地からの申込みがあった場合は優先的に検討する」前提を不動産会社と共有し、一般媒介・専門買取を並行準備しておくのが実務的なリスク対策です。

6. 売却前チェック診断(6項目)

接道・登記・実効幅・ライフライン・価格根拠・隣地打診の6項目を、売却相談の前に整理できているか確認します。

PRE-SALE CHECKLIST

旗竿地(敷延)売却前の前提チェック(6項目)

接道・登記・実効幅・ライフライン・価格根拠・隣地打診。当てはまる選択肢をタップして、売却相談前に整理できているか確認できます。

チェック 1

竿部分の接道が建築基準法上の「道路」に当たるか確認しましたか?

建築基準法第43条第1項は建築物の敷地が道路に2m以上接することを求めます。竿の接する道が、同法第42条第1項各号の道路(幅員4m以上の道路等)・同条第5号の位置指定道路・同条第2項の2項道路(幅員4m未満の既存道の指定。実務上は幅員1.8m以上が目安)のいずれかに当たるかを、役所の道路台帳・指定図で確認します。

💡 どれにも当たらない単なる私道通路の場合、建て替え時の建築確認が下りない(再建築不可)可能性があります。再建築可否は価格に直結する最重要確認事項です。

チェック 2

登記・公図・測量図を取り寄せて、竿の幅と境界を確認しましたか?

法務局で土地の登記事項証明書と公図(地図)を取得し、竿部分の間口・地積を確認します。境界が未確定の場合は土地家屋調査士による境界確定測量の検討が必要です。旗竿地は竿部分で隣地との境界トラブル(塀の所有、越境)が起きやすい形状です。

💡 境界未確定のまま売却すると、買主からの境界明示請求や契約後のトラブルに発展しやすいため、売却準備の早い段階で測量を済ませるのが実務の定石です。

チェック 3

竿の「実効幅」(門柱・塀を除く幅)を実測しましたか?

登記上の間口と、実際に車や人が通れる有効幅は異なります。門柱・塀・植栽の突出を除いた実効幅を測り、車種クラスの法定サイズ(軽自動車=全幅1.48m以下、小型乗用車=1.70m以下:道路運送車両法施行規則 別表第一)との比較で駐車適性を整理します。

💡 実効幅の実測値と外構の工夫(門柱の後退・引戸化など)を資料化できれば、購入検討者への説明材料として売却活動で有利に働きます。

チェック 4

水道・ガス等の引き込み状況と隣地への越境を確認しましたか?

給水管・ガス管・電気引入線が竿部分を通って敷地へ引き込まれている場合、引き込みの延長や更新時に費用が発生する余地があります。給水装置の工事は水道法第25条の3の指定給水装置工事事業者が施行します。あわせて、隣地の樹木・雨樋・ブロック塀等の越境有無を現地で確認します。

💡 引き込み延長や重機搬入が困難な場合の解体(手壊し)は費用が上乗せされます。公定価格はないため、複数社の見積で比較します。

チェック 5

価格の根拠を公的データと複数の査定で確認しましたか?

周辺の取引実勢は国土交通省・土地総合情報システム「不動産取引価格情報」で確認できます。評価の公的ルールとして、国税庁の財産評価では間口4m未満の間口狭小補正率(普通住宅地区0.90)や奥行長大補正率(8倍以上で0.90)が乗じられ、旗竿地は路線価比でおよそ2割の評価減となり得ます(財産評価基本通達20-4・付表6・7)。

💡 実務目安(間口2.0〜2.5mで約25%減等)と公的補正率を押さえた上で、最低3社の査定を受けて根拠を突き合わせると、不当に低い提示を見分けやすくなります。

チェック 6

隣地(手前の整形地)所有者への水面下の打診を検討しましたか?

隣地所有者にとって旗竿地の買取りは「自宅敷地を整形化する」価値のある取引です。売り出す前に不動産会社経由で意向確認(買取り意思の有無と価格帯)をするのが実務の定石です。袋地・囲繞地をめぐる民法第210条〜第212条(囲繞地通行権・償金)は、隣地との関係を整理する背景知識になります。

💡 隣地への直接交渉は感情的な対立に発展しやすいため、必ず不動産会社を介して行います。不調でも一般媒介・専門買取へ並行して進められる体制を保ちます。

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7. 適正価格で売るための「5ステップ手順」

前提確認から隣地打診、媒介・買取の実行、税務申告までの手順と確認書類を整理しました。

実務フロー前提確認から隣地打診・売却実行まで

旗竿地(敷延)を適正価格で売る「5ステップ手順」

登記・接道の確認から、公的評価ルールに基づく価格整理、隣地への水面下打診、媒介・買取の実行と税務申告までの手順を整理しました。

01
前提の確認

登記・公図・測量図で土地の実態を確認する

法務局で登記事項証明書・公図(地図)・地積測量図を取得し、竿部分の間口・地積・共有状況を確認します。境界が未確定の場合は土地家屋調査士による境界確定測量を依頼します。旗竿地は竿部分で隣地との境界トラブル(塀の所有、雨樋・樹木の越境)が起きやすい形状のため、現地の越境状況も併せて洗い出します。

📌 実務上の重要ポイント
  • 登記上の地目・地積と実際の形状のズレがないか確認する
  • 竿部分の所有権が単独か共有(私道持分)かを確認する
  • ブロック塀・門柱の所有区分と設置位置(越境の有無)を現地で確認する
実務チェックリスト(クリックで確認完了)
02
価格を左右する最重要確認

再建築可否と接道要件を役所で確認する

建築基準法第43条第1項は「建築物の敷地は、道路に二メートル以上接しなければならない」と定めます。竿の接する道が同法第42条第1項各号の道路(幅員4m以上)、同条第5号の位置指定道路、同条第2項の2項道路(幅員4m未満の既存道の指定)のいずれかに当たるかを、市町村の建築指導部門・道路台帳で確認します。接道長2mちょうどでも43条の下限は充足しますが、「道路」に当たらなければ建て替え時の建築確認が下りません。

💡 再建築不可・再建築条件付き土地の出口戦略は、当サイトの「再建築不可土地の売却戦略」(/furuie/articles/unbuildable-sale-strategy)でも詳しく解説しています。
⚠ 注意: 再建築不可の旗竿地は価格が大きく下がります(実務目安で整形地の5割前後〜)。接道の指定状況は物件ごとに異なるため、必ず役所確認と不動産会社への指定図の提示を行ってください。
実務チェックリスト(クリックで確認完了)
03
相場の把握

価格の根拠を公的評価ルールと取引情報で整理する

公的評価のルールとして、国税庁の財産評価では間口が狭小な宅地に「間口狭小補正率」(間口4m未満で普通住宅地区0.90等)、奥行が長大な宅地に「奥行長大補正率」(奥行÷間口8倍以上で0.90)を乗じます(財産評価基本通達20-4・付表6・付表7)。両方に該当する旗竿地は路線価比で0.81、すなわち約2割の評価減となり得ます。取引実勢は国土交通省・土地総合情報システム「不動産取引価格情報」で周辺事例を確認し、実務目安(間口2.0〜2.5mで約25%減、隣地売却で整形地相場に近づく等)と併せて価格帯を整理します。

📌 実務上の重要ポイント
  • 間口狭小補正率0.90×奥行長大補正率0.90=0.81(約2割減)が公的評価の一つの基準
  • 不整形地補正率の最小値は0.60(付表5)。形状次第ではさらに評価が下がる余地がある
  • 道路に接しない宅地(接道義務未充足を含む)は「無道路地」として40%控除の対象にもなり得る(20-3)
実務チェックリスト(クリックで確認完了)
04
最有力ルートの確認

隣地所有者へ水面下で打診する(不動産会社経由)

隣地(手前の整形地)の所有者にとって、旗竿地の買取りは自宅敷地の整形化・有効活用に直結する価値ある取引です。売り出す前に不動産会社経由で意向確認(買取り意思の有無と価格帯)を行います。打診時は境界確定済みの測量図と、整形地化による利用改善の具体案を添えると交渉が具体的になります。直接交渉は感情的な対立に発展しやすいため仲介を挟むのが原則です。

💡 実務目安では、隣地売却は一般市場の旗竿地相場(整形地の7〜8割程度)に対し、整形地相場に近い水準(8.5〜10割)で成約するケースがあります(当サイトの実務目安)。
⚠ 注意: 隣地との力関係を整理する背景知識として、袋地の所有者に認められる囲繞地通行権(民法第210条〜第212条・償金の支払義務)があります。無道路に近い旗竿地では通行権の有無が価格交渉に影響するため、弁護士・不動産会社に相談してください。
実務チェックリスト(クリックで確認完了)
05
売却活動〜契約・申告

一般媒介または専門買取で売却を実行し、税務を整える

隣地打診が不調なら、静かさ・プライバシー・手頃な価格帯を重視する実需向けに一般仲介で販売します。竿の実効幅・外構の工夫・ライフラインの状況は資料化して物件紹介に反映します。売買契約では境界の明示・私道(通路)の負担区分・越境の取扱いを特約に落とし込みます。売却後は譲渡所得税の確定申告が必要です(長期譲渡所得は税率15%+住民税5%+復興特別所得税:国税庁No.3208〔令和7年4月1日現在法令等〕、取得費不明なら5%概算:No.3258)。

⚠ 注意: マイホーム売却の3,000万円特別控除(国税庁No.3302)は親族など「特別の関係がある人」への譲渡は対象外ですが、通常の隣地所有者は該当しません。相続空き家であれば空き家特例の要件確認も必要です。申告前に税務署・税理士へ確認してください。
実務チェックリスト(クリックで確認完了)

📋 旗竿地(敷延)売却前に確認する主な情報一覧

  • 登記事項証明書・公図(地図)・地積測量図(法務局)
  • 市町村の道路台帳・建築基準法第42条2項道路・位置指定道路の指定状況
  • 竿の間口・接道長の実測値(建築基準法第43条第1項の2m要件)
  • 門柱・塀を除く竿の「実効幅」と車種クラスの法定サイズ(道路運送車両法施行規則 別表第一)の比較
  • 国税庁 財産評価基本通達20-4・付表6「間口狭小補正率表」・付表7「奥行長大補正率表」
  • 不動産取引価格情報(国土交通省・土地総合情報システム)の周辺取引事例
  • 給水装置工事の指定給水装置工事事業者(水道法第25条の3)への引き込み見積
  • 隣地の境界・越境状況と囲繞地通行権の該当性(民法第210条〜第212条)
  • 固定資産税の評価額・課税明細(住宅用地特例の適用状況)
  • 複数社(3社以上)の査定と減価率の根拠
  • 税務: 国税庁タックスアンサー No.3208(長期譲渡所得)/ No.3258(取得費5%概算)/ No.3302(3,000万円特別控除・特別の関係がある人)

8. よくある質問(FAQ)

敷延と旗竿地の関係、整形地比の相場、竿幅2mの再建築可否と駐車、引き込み・解体費用の上乗せ、隣地への売却打診、固定資産税と譲渡所得税まで、現場で寄せられる疑問に回答します。

Q&A用語・相場から再建築・駐車・隣地交渉まで

旗竿地(敷延)の売却に関する「よくある質問(FAQ)」

敷延と旗竿地の関係、整形地比の相場、竿幅2mの再建築可否と駐車、引き込み・解体費用、隣地への売却打診、固定資産税と譲渡所得税まで実務の疑問に回答します。

A

同じものを指す業界用語です。旗竿地(はたざおち)は、細長い通路部分(竿・旗竿)で公道につながる一方、奥に方形の宅地部分(旗の部分)が広がる土地の呼び名で、「敷延(しきえん)」「敷地延長」と呼ばれることもあります。とくに近畿圏では「敷延」の呼称が不動産取引実務でよく使われます。一方、公的な評価ルールである国税庁「財産評価基本通達」では、「旗竿地」「敷延」という語は使われず、「間口が狭小な宅地」「奥行が長大な宅地」(同通達20-4)や「不整形地」(同通達20)という形状区分で扱われます。売却や相続の話で複数の呼び名が出ても、評価・取引上の論点(間口・接道・奥行の減価)は共通です。

📌 要点: 旗竿地=敷延=敷地延長は同じ土地形状を指す業界用語。公的評価ルール(国税庁)では「間口狭小・奥行長大」の形状区分として扱われます。

かんたん診断

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答えを急がなくても大丈夫です。いくつかの質問から、管理・活用・売却のどこを先に確認すべきか整理できます。

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