空き家売却にかかる「税金」と「諸費用」の全体像
不動産の売却では、売却代金から「諸費用」と「税金」が引かれた残りが「実際の手取り額」となります。一般的に、諸費用は売却代金の約4%〜10%(解体工事を行う場合は15%以上)が相場です。
売却に伴う取引コスト
- 仲介手数料売却額×3%+6万+税
- 建物解体費用100万〜300万円
- 残置物処分費用10万〜50万円
- 境界確定・測量費30万〜80万円
国・自治体に納める税
- 譲渡所得税(長期)利益の 20.315%
- 譲渡所得税(短期)利益の 39.63%
- 売買契約書 印紙税1,000円〜3万円
- 登録免許税(抵当抹消)1筆 1,000円+報酬
空き家売却の税金・諸費用・手取り額一括シミュレーター
売却想定額や諸条件を入力すると、仲介手数料・解体費・譲渡所得税・3000万円特別控除適用後の「実際の手残り額」が自動計算されます。
※契約書紛失等で不明な場合、法律上の規定により売却額の5%(100万円)で試算します。
特例により譲渡所得税が約 366.3 万円 削減されました!
諸費用・税金の内訳明細
- 売却想定価格
- +2,000 万円
- 仲介手数料(税込概算)成約価格×3%+6万円+税
- -72.6 万円
- 契約書 印紙税(軽減後)
- -1 万円
- 登記・抹消・司法書士費用
- -3 万円
- 残置物・不用品処分費用
- -20 万円
- 諸費用合計(譲渡費用)
- -96.6 万円
- 取得費(みなし/実費)売却額の5%
- 100 万円
- 課税対象 譲渡所得
- 0 万円
- 譲渡所得税額(住民税・復興税込)
- -0 万円
売却時にかかる「諸費用」の内訳と相場目安
空き家の状態や立地によって、どの費用が発生するかが異なります。主な費用の計算方法と節約ポイントを整理しました。
1. 仲介手数料(宅建業法上の上限額)
不動産会社に仲介を依頼し、成約した際に支払う成功報酬です。 売却価格が400万円を超える場合は「売却価格×3% + 6万円 + 消費税」で計算されます。なお、2024年の法改正により、800万円以下の低廉な空き家等については、 売主から最大33万円(税込)を受領できるよう特例が拡大されました。
2. 建物解体工事費用
建物を解体して更地として売り出す場合にかかる費用です。構造別の相場は以下の通りです:
坪3〜5万円
坪5〜7万円
坪7〜10万円
※前面道路が狭く重機が入らない場合や、アスベスト含有建材がある場合は追加費用が発生します。
3. 残置物(家財道具・不用品)処分費用
家の中に残されたタンス、家電、衣類などを専門業者に撤去してもらう費用です。 一軒家(3LDK〜4LDK)丸ごとの処分で約15万〜40万円が相場です。売主自身で自治体の粗大ゴミやリサイクルショップを活用して処分することで大幅に節約できます。
4. 確定測量費用(境界確定)
隣地との境界線が不明確な場合、土地家屋調査士に依頼して測量を行い、境界確認書を作成します。相場は約30万〜80万円(公図混乱地域や官民境界確認を要する場合は100万円超)です。更地売却や面積が大きい土地では必須条件とされることが一般的です。
売却益にかかる「譲渡所得税」の計算式と税率
不動産を売却して利益が出た場合、その利益(譲渡所得)に対して「所得税」「住民税」「復興特別所得税」が課税されます。
譲渡所得(課税対象)の基本計算式
課税譲渡所得 = 売却価格 -( 取得費 + 譲渡費用 )- 特別控除額
物件を購入したときの代金や購入時仲介手数料、リフォーム費から減価償却費を引いた額。不明な場合は売却額の5%(概算取得費)。
今回の売却のために直接要した費用(仲介手数料、契約書印紙代、解体費用、測量費、立退料等)。
所有期間による税率の違い(長期譲渡 vs 短期譲渡)
売却した年の1月1日時点において、不動産の所有期間が5年を超えているかどうかで税率が2倍近く変わります。相続した空き家の場合、被相続人(親)の所有期間を引き継ぐことができます。
- ・所得税: 15%
- ・復興特別所得税: 0.315%
- ・住民税: 5%
- ・所得税: 30%
- ・復興特別所得税: 0.63%
- ・住民税: 9%
あなたの空き家で使える「税金軽減特例」診断
4つの質問に「はい / いいえ」で回答するだけで、最大3,000万円控除や取得費加算特例などの適用可能性を判定します。
Q1. 売却する不動産は「親などから相続した空き家」ですか?
ご自身が以前住んでいたマイホームではなく、被相続人が一人で住んでいた戸建て空き家などを想定しています。
Q2. 建物は「昭和56年(1981年)5月31日以前」に建築されたものですか?
旧耐震基準の木造住宅等が対象です(※更地にして売却するか、買主が解体・耐震改修する場合も含む)。
Q3. 相続開始から3年以内の売却で、売却代金は1億円以下ですか?
相続開始の年の12月31日から3年を経過する日の属する年の12月31日までの譲渡が期限です。
Q4. 相続時に「相続税」を納税しましたか?
相続税を納付している場合、支払った相続税の一部を取得費に上乗せして譲渡所得税を圧縮できる特例があります。
「古家付き」vs「更地渡し」vs「業者買取」の費用・手取り比較
空き家をそのまま売るか、解体して更地にするか、買取業者に売るかで、必要な持ち出し費用や税金特例の適用手順が大きく異なります。
売却前の初期費用
解体費不要。不用品処分費(約10万〜30万円)のみで売却開始可能。
💡 手元資金がなくてもすぐ売り出せる
木造で坪3〜5万円の解体費が事前持ち出しとして必要。
💡 解体後売れない場合、固定資産税が最大6倍に跳ね上がるリスクあり
残置物やゴミもそのまま、現状有姿で引き渡し可能。
💡 片付けや解体などの手間・出費が一切発生しない
売却価格・手取り水準
建物解体費相当分(約100万〜200万円)を価格交渉で値引くケースが多い。
💡 古民家リノベ需要があれば高値成約も
新築用地として買主(一般個人・ビルダー)が検討しやすく高値が期待できる。
💡 解体費を差し引いた実質手取りで比較が必要
業者の再販リノベ利益・解体リスクが引かれるため価格は下がる。
💡 仲介手数料(3%+6万円)が不要になるメリットあり
売却までの期間
建物の状態や立地によって成約期間に幅がある。
💡 買い手がつかない長期化リスクに注意
更地は見通しが良く、建築イメージが湧きやすいため成約が早い。
💡 解体工事期間(約2週間〜1ヶ月)が別途必要
買取業者が直接購入するため、即時に現金化が可能。
💡 相続税の申告期限(10ヶ月以内)が迫る場合に最適
契約不適合責任(瑕疵担保)
雨漏り・シロアリ・給排水管の腐食等でトラブルになるリスクがある。
💡 契約時に「契約不適合責任免責」を必ず設定
建物の責任はないが、地中埋設物(浄化槽・ガラ・古井戸等)の撤去責任が残る。
💡 解体業者に地中埋設物の確認を依頼
買主がプロ(宅建業者)のため、売主の契約不適合責任は原則免責される。
💡 売却後に一切のクレームや追加請求を受けない
3,000万円特別控除の適用
買主が引渡し翌年2月15日までに解体または耐震改修すれば適用可能に。
💡 売買契約書に特約を盛り込むことが必須
売主側で解体・更地にして売却すれば、上限3,000万円まで控除適用。
💡 解体後、他の用途に利用せず売却すること
買取業者が更地化・リノベする場合でも特約・確認書の発行で利用可能。
💡 買取業者に控除利用の旨を事前に相談
空き家売却・税金特例適用・確定申告 4ステップガイド
どのタイミングでどんな費用が発生し、確定申告で何を準備すべきかを整理しました。
相場調査・諸費用の事前試算と書類探索
まずは不動産の相場価格を把握し、取得費の根拠となる「当時の購入売買契約書」や「権利証(登記識別情報)」を探します。
不動産会社の選定・媒介契約と売出条件決定
「古家付きのまま売る」「更地にして売る」「買主解体特約付きで売る」など、3000万円控除の活用可否を見据えて売出方針を決定します。
売買契約締結・決済・物件引き渡し
買主と売買契約を締結し、手付金受領。後日、残代金の決済・所有権移転登記と物件の引き渡しを行います。
翌年の確定申告と譲渡所得税の納税
売却益(譲渡所得)が発生した場合はもちろん、3,000万円控除等の特例を使って税額が0円になる場合でも確定申告が必須です。
空き家売却の税金・費用 よくある質問
取得費不明時の対策や解体費用の経費性、共有相続時の控除上限など、現場でよくある疑問に回答します。
売買契約書等の書類がない場合、税法上は「売却価格の5%」を概算取得費として計算するため、譲渡所得税が非常に高額になります。しかし、当時のパンフレット・通帳の出金記録・住宅ローンの返済履歴、あるいは日本不動産鑑定協会の「市街地価格指数」等を用いて合理的な推計取得費を証明できれば、税務署に認められるケースがあります。諦めずに相続・不動産に強い税理士へ相談することをお勧めします。
- 01
家の状況をチェック
場所や建物の状態を、わかる範囲で確認します。
- 02
ご希望や事情を選択
使う・貸す・手放すなど、今のお考えを整理します。
- 03
方向性をご提案
次に確認したいことを、優先順でお伝えします。