静岡市のマンション坪単価はいくらか
結論から言うと、静岡市3区(葵区・駿河区・清水区)の中古マンション坪単価中央値は94.8万円/坪です(2021〜2025年・国土交通省 不動産取引価格情報 成約価格情報・N=674)。総額中央値は2,144万円、m²単価中央値は28.7万円/m²。対象は静岡県静岡市3区のみで、富士市・焼津市・藤枝市など静岡市外の物件は含みません。
ここで言う「坪単価」とは、成約総額を専有面積(坪換算)で割った1坪当たりの価格の中央値です。国土交通省「不動産取引価格情報」のうち、REINSから毎週公表される成約価格情報(中古マンション等)を使います。売り出し価格ではなく成約ベースである点が重要です——売り出し価格は値下げ交渉を見込んで高めに設定されることが多く、成約価格のほうが実態に近いからです。
静岡市3区の坪単価は中央値94.8万円/坪を挟んで広く分布します。P25が58.5万円/坪、P75が141.4万円/坪、P90は192.0万円/坪。半分の物件が58.5万円〜141.4万円の間に収まる一方、P90は192.0万円/坪を超え、同じ「静岡市」でも築浅の中心部タワーと築30年超の郊外物件が混在します。築年中央値は21年で、構造はRC造が551件(81.8%)・SRC造110件(16.3%)と鉄筋コンクリート系が大部分を占めます。
なお静岡市は3区のみで他の政令市(仙台市5区・名古屋市16区等)に比べて区数・件数が少なく、N=674というサンプル規模です。築年帯別・区別の内訳では件数が20件前後の軸もあり、そうした軸では読み方に注意が必要です——本稿では各軸の件数(N)を併記し、サンプル限界のある数値にはその旨を明記します。
築年で坪単価はどう変わる — 築0-5年の186万円/坪から築31年超の40万円/坪へ
静岡市の中古マンションでは、築年が坪単価を決める最大の変数です。築0-5年の坪単価中央値は186.0万円/坪(N=57)。築6-10年で165.3万円/坪、築11-15年で140.5万円/坪と徐々に下がり、築16-20年で99.2万円/坪、築21-25年で81.7万円/坪、築26-30年で78.5万円/坪。そして築31年超は**40.0万円/坪(N=172)まで下落します。築0-5年から築31年超への下落率は-78.5%**で、新築帯から30年余りで坪単価が5分の1に縮む計算です。
| 築年帯 | 坪単価中央値 | 総額中央値 | N |
|---|---|---|---|
| 0-5年 | 186.0万円/坪 | 4,300万円 | 57 |
| 6-10年 | 165.3万円/坪 | 3,900万円 | 95 |
| 11-15年 | 140.5万円/坪 | 3,400万円 | 75 |
| 16-20年 | 99.2万円/坪 | 2,400万円 | 94 |
| 21-25年 | 81.7万円/坪 | 1,800万円 | 120 |
| 26-30年 | 78.5万円/坪 | 1,700万円 | 61 |
| 31年超 | 40.0万円/坪 | 697.5万円 | 172 |
注目すべきは件数の分布です。築31年超は172件で**全体の25.5%**を占め、築0-5年は57件・シェア8.5%に留まります。**築21年以上の物件は全体の52.4%**に達し、静岡市の中古マンション市場では築20年前後から30年超の物件が量的な中心です。築0-10年の物件は全体の22.6%に過ぎず、新築帯は量的に限定的です。これは静岡市のマンション供給が1990〜2000年代に集中し、その後の供給ペースが鈍化している構造を反映しています。
築31年超のバンドに入ると、坪単価のばらつきも大きくなります。築31年超のP10は19.4万円/坪、P25は28.8万円/坪、P75は53.9万円/坪。築0-5年のP25が145.5万円/坪であるのと比べると、築31年超の最も安い帯でも築0-5年の5分の1以下の単価水準です。立地・階数・リフォーム工事の有無で同じ築31年超の中でも坪単価のばらつきが大きくなります。
坪単価に加えて総額中央値で見ると、築年の影響がより鮮明になります。築0-5年の総額中央値は4,300万円。築6-10年で3,900万円、築11-15年で3,400万円、築16-20年で2,400万円、築21-25年で1,800万円、築26-30年で1,700万円。築31年超は697.5万円まで下がり、築0-5年から築31年超への総額下落率は**-83.8%**です。坪単価の下落率(-78.5%)より総額の下落幅が大きいのは、築年が進むほど専有面積も小さくなる傾向(築0-5年で80.0㎡・築31年超で60.0㎡)が加わるためです。
つまり築年が進むにつれて「面積当たり単価が下がる」と同時に「面積も小さくなる」傾向が重なり、総額の下落を加速させています。静岡市で700万円台の中古マンションを探す場合、それは「築31年超で60㎡前後の物件」を指すことが多く、築10年以内で75㎡超の家族型を探す場合の予算は4,000万円程度必要、というのが2021-2025年の成約データから読める現実的な相場観です。
静岡市のマンションは何年築が多いか
建築年代(10年単位)で分布を見ると、静岡市中古マンションの供給史が浮かび上がります。2000年代築が188件(27.9%)で最大。次いで2010年代築184件(27.3%)、1990年代築138件(20.5%)、1980年以前84件(12.5%)、1980年代築60件(8.9%)、2020年代築20件(3.0%)の順です。
| 建築年代 | 件数 | シェア |
|---|---|---|
| 2020年代築 | 20 | 3.0% |
| 2010年代築 | 184 | 27.3% |
| 2000年代築 | 188 | 27.9% |
| 1990年代築 | 138 | 20.5% |
| 1980年代築 | 60 | 8.9% |
| 1980年以前 | 84 | 12.5% |
1990年代〜2000年代に供給が集中し、2010年代も比較的厚い供給が続いたことが数字から読めます。1980年代以前の築30年超物件は**全体の21.4%(144件)**に上り、これらが今後10年で築40年超へと進行するため、静岡市では建替え・リノベーション需要が潜在的に大きい地域と言えます。一方、2020年代築はわずか20件(3.0%)で、新築ストックの薄さが築0-5年帯の坪単価を186.0万円/坪と高水準に支える要因にもなっています。
区別で見る坪単価の構造
静岡市3区を区別で見ると、葵区と駿河区が100万円/坪台で並び、清水区が一段低い水準です。葵区は105.5万円/坪(N=276)、駿河区は102.4万円/坪(N=253)、清水区は74.5万円/坪(N=145)。清水区は葵区の70.6%の水準です。葵区が全体の40.9%・駿河区37.5%・清水区21.5%のシェアで、葵区と駿河区で全体の78.5%を占めます。
| 区 | 坪単価中央値 | N | シェア |
|---|---|---|---|
| 葵区 | 105.5万円/坪 | 276 | 40.9% |
| 駿河区 | 102.4万円/坪 | 253 | 37.5% |
| 清水区 | 74.5万円/坪 | 145 | 21.5% |
区別×築年帯で坪単価を見ると、葵区は築0-10年198.3万円/坪・築11-20年118.5万円/坪・築21-30年94.5万円/坪・築31年超45.5万円/坪(N=71)。駿河区は築0-10年165.3万円/坪・築11-20年125.3万円/坪・築21-30年81.7万円/坪・築31年超41.3万円/坪。清水区は築0-10年124.0万円/坪・築11-20年83.7万円/坪・築21-30年70.8万円/坪・築31年超32.0万円/坪です。
全区で築0-10年から築31年超への坪単価下落率は葵区-77.1%・駿河区-75.0%・清水区-74.2%と概ね一致し、築年による坪単価の序列は区を問わず安定しています。葵区が新旧ともに最高水準なのは県庁・静岡駅周辺の中心市街地としての立地の良さを反映し、清水区は旧清水市の港湾・工業地域の構造を反映した形です。ただし清水区の築0-10年はN=21とサンプルが限られており、解釈には余裕を持たせる必要があります。
坪単価は上がっているのか — 2021-2025年次推移
直近5年間の推移を見ると、静岡市3区の中古マンション坪単価は上昇傾向にあります。2021年の坪単価中央値は83.7万円/坪(N=125)でしたが、2022年は80.6万円/坪(N=142)、2023年は94.5万円/坪(N=118)、2024年は111.0万円/坪(N=128)まで上がりました。率にして**+32.6%**の上昇です。
| 年 | 坪単価中央値 | 総額中央値 | N | 築年中央値 |
|---|---|---|---|---|
| 2021年 | 83.7万円/坪 | 1,900万円 | 125 | 20年 |
| 2022年 | 80.6万円/坪 | 1,800万円 | 142 | 21年 |
| 2023年 | 94.5万円/坪 | 2,000万円 | 118 | 22年 |
| 2024年 | 111.0万円/坪 | 2,500万円 | 128 | 21年 |
| 2025年 | 104.1万円/坪 | 2,412.5万円 | 161 | 24年 |
2025年の104.1万円/坪(N=161)は直近年ですが、公表ラグによって報告の早い地域・物件に偏る可能性があるため、トレンド判断は2021〜2024年の比較を主軸にするのが安全です。2024年までの4年間は一貫した上昇傾向で、この期間の築年中央値は20〜21年で安定しており、物件の築年構成が上がって坪単価が上がったわけではなく、同じ築年帯の物件が値上がりしたと読めます。ただし、今後も上がり続けることは保証されません——上昇は過去の事実であって、未来の予測ではありません。
駅別で読む沿線別の坪単価
静岡市3区の駅別(N≥20)で見ると、坪単価中央値が最も高いのは東静岡150.2万円/坪(N=78)です。東静岡は築年中央値11年と新しく、静岡駅東側の再開発エリア(グランシップ周辺)の新築帯供給が坪単価を押し上げています。次いで長沼(静岡)104.8万円/坪(N=22)、静岡104.4万円/坪(N=259)、新静岡103.9万円/坪(N=24)が100万円/坪台で並びます。
| 駅 | 坪単価中央値 | N | 築年中央値 |
|---|---|---|---|
| 東静岡 | 150.2万円/坪 | 78 | 11年 |
| 長沼(静岡) | 104.8万円/坪 | 22 | 22年 |
| 静岡 | 104.4万円/坪 | 259 | 21年 |
| 新静岡 | 103.9万円/坪 | 24 | 22年 |
| 清水(静岡) | 86.8万円/坪 | 49 | 17年 |
| 草薙(JR) | 76.3万円/坪 | 25 | 25年 |
| 新清水 | 70.2万円/坪 | 21 | 19年 |
静岡駅は259件と最多で、JR東海道線と静岡鉄道の接続する市中心部の中核です。新静岡は静岡鉄道新静岡駅周辺で静岡駅と隣接し、同等の坪単価水準です。清水(静岡)は86.8万円/坪(N=49)・築年中央値17年と清水区の中核駅で比較的新しいストックがあります。草薙(JR)は76.3万円/坪・築年25年、新清水は70.2万円/坪・築年19年で、築年が進んだ駅ほど坪単価が低い傾向が読めます。駅周辺の開発時期とマンション供給の時期が、現在の築年構造と坪単価水準を形作っています。ただし長沼・新静岡・新清水はN=20台とサンプルが限られており、駅単位の数値は参考程度に扱うのが妥当です。
静岡県内・他政令市との比較
静岡県内の主要市で坪単価中央値を比較すると、藤枝市113.3万円/坪(N=67)が最高で静岡市3区94.8万円/坪を上回ります。ただし藤枝市は築年中央値12年と新しく、サンプルも67件と限られるため、新築帯の物件が坪単価を押し上げている面があります。静岡市3区は94.8万円/坪、以下 磐田市81.5万円/坪(N=18)・富士市70.8万円/坪(N=97)・焼津市66.1万円/坪(N=24)・沼津市55.3万円/坪(N=148)の順です。県東部の沼津市は築年中央値28年と最も古く、坪単価が押し下げられています。静岡市3区は県中部の中核として坪単価の中位を担っています。
| 市 | 坪単価中央値 | N | 築年中央値 |
|---|---|---|---|
| 藤枝市 | 113.3万円/坪 | 67 | 12年 |
| 静岡市3区 | 94.8万円/坪 | 674 | 21年 |
| 磐田市 | 81.5万円/坪 | 18 | 26年 |
| 富士市 | 70.8万円/坪 | 97 | 18年 |
| 焼津市 | 66.1万円/坪 | 24 | 24年 |
| 沼津市 | 55.3万円/坪 | 148 | 28年 |
中部地方の政令市3市で比較すると、名古屋市104.9万円/坪(N=13,141)・静岡市3区94.8万円/坪(N=674)・浜松市56.5万円/坪(N=541)。静岡市3区は名古屋市の90.4%の水準で、逆に浜松市は静岡市3区の59.6%にとどまります。興味深いのは、静岡市3区の築年中央値21年は名古屋市23年よりやや新しく、坪単価の差は築年構成の差よりも立地・市場規模の差が主因と読める点です。浜松市は築年中央値30年と3市で最も古く、それが坪単価を56.5万円/坪に押し下げています。
間取り別で読む実務的な予算感
最後に、間取り別に見ると読者の予算感と照合しやすくなります。静岡市で件数が最も多い3LDKは、築0-15年(新)坪単価154.3万円/坪・総額3,700万円(N=117)、築16-30年(中)坪単価83.7万円/坪・総額1,900万円(N=174)、築31年超(古)坪単価39.7万円/坪・総額840万円(N=51)。2LDKは新174.1万円/坪・4,000万円(N=70)・中108.2万円/坪・2,400万円(N=31)・古44.7万円/坪・785万円(N=28)です。
| 間取り | 築0-15年 | 築16-30年 | 築31年超 |
|---|---|---|---|
| 3LDK 坪単価 | 154.3万円/坪 | 83.7万円/坪 | 39.7万円/坪 |
| 3LDK 総額 | 3,700万円 | 1,900万円 | 840万円 |
| 2LDK 坪単価 | 174.1万円/坪 | 108.2万円/坪 | 44.7万円/坪 |
3LDKの築0-15年から築31年超への坪単価下落率は**-74.3%**で、間取りを同じくしても築31年超で坪単価は4分の1以下に縮むことが分かります。「3LDKで坪単価80万円/坪前後」と静岡市で探す場合、それは「築16-30年の中古」を指す、というのが2021-2025年の成約データの示す現実です。逆に「築10年以内の3LDK」を希望する場合は坪単価150万円/坪超・総額3,700万円以上の予算が必要で、築5年以内の実質新築級ともなれば坪単価186.0万円/坪・総額4,300万円程度が目安となります。
まとめ — 静岡マンションを読む4つの視点
静岡市3区の中古マンションを検討する読者への示唆をまとめます。第一に、築年が坪単価に与える影響が極めて大きいこと。築0-5年から築31年超で坪単価-78.5%、総額-83.8%。第二に、静岡市のマンションストックは築21年以上が半分(52.4%)を占め、築0-10年は22.6%に過ぎないため、新築・準新築を希望する場合は坪単価150万円/坪超・総額4,000万円程度の予算面での覚悟が必要です。第三に、区別で葵区と駿河区が100万円/坪台・清水区74.5万円/坪と2層構造で、葵区・駿河区で全体の78.5%を占めます。第四に、直近4年(2021-2024)は坪単価+32.6%の一貫した上昇傾向でしたが、2025年データは公表ラグの影響を受けるため、今後の動向は四半期ごとの成約データで継続確認することが合理的です。本稿の数値はすべて2021-2025年の成約データに基づく過去の事実であり、将来の価格を保証するものではありません——購入・売却の判断では、最新の成約事例と専門家の査定を併せて参照してください。
静岡市3区の中古マンションは、県内他市と比べると坪単価の中位に位置し、名古屋市の9割水準を保つ一方で築年構造の階層が明確な地域です。坪単価別のデータを理解した上で、予算と希望する築年・エリア・間取りの組み合わせを検討することが、現実的な物件選びの第一歩になります。詳しくは静岡県の不動産相場ページも参照してください。
本稿のデータは国土交通省「不動産取引価格情報」の成約価格情報(中古マンション等・2021年第1四半期〜2025年第4四半期)に基づきます。全数値は中央値(median)のみを採用し、坪単価は成約総額を専有面積(坪換算)で除した値です。本稿は過去の取引事実の集計であり、将来の価格推移を予測・保証するものではありません。