今後の土地価格 — まず結論
今後の土地価格を「いくらになる」と単一価格で断定することはできません。ただし、直近の土地取引を見る限り、全国の土地価格は上向き基調です。国土交通省「不動産取引価格情報」の宅地(土地)取引402,494件を集計すると、坪単価中央値は2021年の140,000円/坪から2025年の180,000円/坪へ+28.6%、総額中央値は1,100万円から1,400万円へ+27.3%上昇しています。
都道府県別でも方向感は広い範囲で上向きです。2021年と2025年の両方でN≥30の47都道府県を比較すると、43都道府県(91.5%)が上昇し、下落は3都道府県(6.4%)でした。ただし、土地価格は全国値だけでは判断できません。東京圏は580,000円/坪、地方は140,000円/坪、駅距離10分以内は250,000円/坪、31分超は95,000円/坪と、地域と立地条件で水準が大きく変わります。
全国の土地価格はどう動いたか
全国の宅地(土地)取引を年別に見ると、坪単価は2021年と2022年が140,000円/坪、2023年が150,000円/坪、2024年が160,000円/坪、2025年が180,000円/坪です。総額中央値も1,100万円から1,400万円へ上がっています。
| 年 | N | 総額中央値 | 坪単価中央値 |
|---|---|---|---|
| 2021年 | 99,387 | 1,100万円 | 140,000円/坪 |
| 2022年 | 88,210 | 1,200万円 | 140,000円/坪 |
| 2023年 | 81,243 | 1,300万円 | 150,000円/坪 |
| 2024年 | 79,301 | 1,300万円 | 160,000円/坪 |
| 2025年 | 54,353 | 1,400万円 | 180,000円/坪 |
この推移から読めるのは、一時点の跳ねではなく複数年にまたがる上昇です。2021年から2025年の変化率は坪単価で+28.6%、総額で+27.3%。売却検討者には追い風ですが、購入側には取得コスト上昇を意味します。
2025年内の動きは鈍化か加速か
2025年を四半期別に見ると、総額中央値は第1四半期から第4四半期まで1,400万円で横ばいです。一方、坪単価中央値は第1四半期・第2四半期が180,000円/坪、第3四半期が190,000円/坪、第4四半期が200,000円/坪でした。
| 2025年 | N | 総額中央値 | 坪単価中央値 |
|---|---|---|---|
| 第1四半期 | 18,333 | 1,400万円 | 180,000円/坪 |
| 第2四半期 | 17,142 | 1,400万円 | 180,000円/坪 |
| 第3四半期 | 13,505 | 1,400万円 | 190,000円/坪 |
| 第4四半期 | 5,373 | 1,400万円 | 200,000円/坪 |
ただし、第4四半期はN=5,373と少ないため、「年末に必ず上がった」とは読めません。見るべきポイントは、2025年の各四半期で総額中央値が1,400万円を保ち、坪単価も180,000円/坪以上だったことです。
東京圏と地方で見る土地価格の方向感
東京圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)と地方で分けると、どちらも上昇しています。ただし水準は大きく違います。
| 地域 | N(始期・終期) | 坪単価 2021年 | 坪単価 2025年 | 変化率 | 総額 2021年 | 総額 2025年 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 東京圏 | 19,916→11,869 | 460,000円/坪 | 580,000円/坪 | +26.1% | 2,400万円 | 2,900万円 |
| 地方 | 79,471→42,484 | 110,000円/坪 | 140,000円/坪 | +27.3% | 980万円 | 1,200万円 |
変化率は地方が+27.3%、東京圏が+26.1%で近い動きです。ただし2025年の坪単価水準は東京圏が580,000円/坪、地方が140,000円/坪。今後を見るときは、方向だけでなく現在の水準も分けて考える必要があります。
都道府県別に見る上昇・下落地域
都道府県別では、上昇率上位に北海道、宮城県、千葉県、広島県、大分県が並びます。
| 都道府県 | N(始期・終期) | 坪単価 2021年 | 坪単価 2025年 | 変化率 |
|---|---|---|---|---|
| 北海道 | 5,426→2,566 | 80,000円/坪 | 140,000円/坪 | +75.0% |
| 宮城県 | 1,874→830 | 130,000円/坪 | 210,000円/坪 | +61.5% |
| 千葉県 | 4,292→2,424 | 190,000円/坪 | 290,000円/坪 | +52.6% |
| 広島県 | 2,008→1,146 | 160,000円/坪 | 240,000円/坪 | +50.0% |
| 大分県 | 997→425 | 82,000円/坪 | 120,000円/坪 | +46.3% |
一方、下落側は長崎県-3.2%、島根県-2.5%、富山県-2.2%にとどまります。香川県は0.0%、山形県は+1.3%で、弱い地域でも大きく崩れているわけではありません。
| 都道府県 | N(始期・終期) | 坪単価 2021年 | 坪単価 2025年 | 変化率 |
|---|---|---|---|---|
| 長崎県 | 917→461 | 93,000円/坪 | 90,000円/坪 | -3.2% |
| 島根県 | 684→329 | 81,000円/坪 | 79,000円/坪 | -2.5% |
| 富山県 | 1,138→596 | 92,000円/坪 | 90,000円/坪 | -2.2% |
| 香川県 | 963→536 | 95,000円/坪 | 95,000円/坪 | 0.0% |
| 山形県 | 964→335 | 79,000円/坪 | 80,000円/坪 | +1.3% |
全国的には上昇県が多い一方、上昇率の差は大きいです。売却・購入判断では、全国値より該当都道府県の足元の方向感を優先して確認してください。
個別の土地価格を見るときは駅距離を確認する
同じ地域でも、駅距離で土地価格は変わります。2021〜2025年の駅距離ありデータでは、10分以内の中央値は250,000円/坪、31分超は95,000円/坪です。
| 駅距離 | N | 総額中央値 | 坪単価中央値 |
|---|---|---|---|
| 10分以内 | 111,276 | 1,700万円 | 250,000円/坪 |
| 11-20分 | 112,013 | 1,500万円 | 200,000円/坪 |
| 21-30分 | 57,169 | 1,200万円 | 140,000円/坪 |
| 31分超 | 113,081 | 930万円 | 95,000円/坪 |
今後の土地価格を考えるとき、駅距離は全国トレンドより実務的なチェック項目です。駅から遠い土地は価格水準が低く、駅に近い土地は既に高い水準で取引されています。
公示地価・基準地価で用途別の水準を見る
実取引とは別に、2024年の公示地価・基準地価ポイントを見ると、用途によって水準が異なります。商業地の中央値は210,000円/㎡、住宅地は76,000円/㎡、工業地は72,850円/㎡です。
| 用途 | N | 中央値 |
|---|---|---|
| 商業地 | 5,475 | 210,000円/㎡ |
| 住宅地 | 25,154 | 76,000円/㎡ |
| 工業地 | 2,478 | 72,850円/㎡ |
公示地価・基準地価は評価地点の価格であり、個別の売買価格そのものではありません。用途別の水準差を見る補助線として使います。
今後の土地価格を見るための実務的な読み方
土地価格の今後を見るなら、全国の上昇基調を前提にしつつ、自分の土地が属する地域と条件に分解して確認するのが安全。2021年から2025年に全国の坪単価は140,000円/坪から180,000円/坪へ上昇し、47都道府県中43都道府県が上昇しました。ただし、東京圏と地方、駅距離10分以内と31分超、住宅地と商業地では価格水準が違います。保有地や購入予定地の実勢価格を確認したい場合は、無料査定を依頼からご相談ください。
集計条件: 出典=国土交通省「不動産取引価格情報」「公示地価・基準地価」/宅地(土地)取引の集計期間=2021年第1四半期〜2025年第4四半期/対象=price_category='不動産取引価格情報' かつ type='宅地(土地)'、total_price・tsubo_price がNULLの行は除外/価格=中央値(円/坪・万円)/都道府県別変化率は2021年・2025年ともN≥30/公示地価・基準地価は2024年の wh_land_prices、単位は円/㎡。
出典: 国土交通省 不動産取引価格情報・公示地価・基準地価