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公示地価と実勢価格の乖離率は? 全国714市の成約データで検証

公示地価と実勢価格の乖離率を全国714市で検証。計算式、用途・地域別の差、全国倍率を個別土地へ直接使えない理由を解説します。

更新: 2026-07-31

4行で結論

公示地価 実勢価格 乖離率」への答え

  1. 結論

    公示地価と実勢価格(成約単価中央値)は、全国の市区単位の比較で大きく乖離しています。乖離率中央値は公示地価単独で +92.21%(N=706区分)、公示・基準地価の合算で +89.98%(全国714市・1,222区分)です(成約2021年〜2025年/地価は各地点の最新値)。

  2. 計算式

    (成約単価中央値 − 地価中央値)÷ 地価中央値 × 100。

  3. 出典

    国土交通省「地価公示制度」https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_fr4_000036.html /不動産情報ライブラリ https://www.reinfolib.mlit.go.jp/ (2026-07-31 確認)。

  4. 注意

    同一地点・同一条件の比較ではありません。個別土地の売却価格へ全国倍率を直接使わないでください。

公示地価単独では成約単価との乖離率中央値が+92.21%(N=706区分)、公示・基準地価の合算では+89.98%(全国714市・1,222区分)でした。

観測期間
成約2021年〜2025年/地価は各地点の最新値
根拠データ
706区分
集計方法
価格比較

同一地点・同一条件の比較ではありません。公示地価は土地のみ、成約単価は建物価値を含む場合があります。

集計条件・限界・未確認項目を見る

集計条件

  • 成約価格情報620,296件と地価公示・基準地価41,416地点を市区町村コードで結合しています。
  • 成約単価中央値と地価中央値を円/㎡で比較し、平均値は使いません。
  • 市×物件種別ごとに成約30件以上・地価5地点以上の区分だけを対象にしています。
  • 宅地(土地と建物)と中古マンション等は分けて集計しています。

この結果から言えないこと

  • 全国中央値は、用途・面積・接道・形状・駅距離・取引時点など個別条件を調整していません。
  • 乖離率は税額、査定額、将来の成約価格を示す倍率ではありません。
  • 個別土地の現在の売却可能額は、近隣の同種成約事例を比較する前には分かりません。
  • 固定資産税評価額は本集計の公示・基準地価と別の評価値で、このデータだけでは妥当性を判定できません。

出典

このレポートの要点

  • 全国714市+89.98%

    全国714市・1,222セルの乖離率中央値は+89.98%。

    N=1,222
  • 実勢が評価を上回るセル+96.4%

    実勢が評価を上回るセルは96.4%、1,178セル。

    N=1,178 / 全セル1,222
  • 実勢が評価を下回るセル+3.6%

    実勢が評価を下回るセルは3.6%、44セル。

    N=44 / 全セル1,222
  • 乖離率四分位範囲

    乖離率の四分位範囲は+55.36%〜+149.95%。

    55.36%102.655%149.95%
    N=1,222

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詳しい解説を読む

公示地価単独の乖離率中央値は+92.21%(N=706セル)です。公示・基準地価を合わせた全国集計では+89.98%、対象は714市、N=1,222の市×物件種別区分でした。

ただし、土地のみの地価と建物価値を含み得る成約単価の比較で、同一土地の一対一比較ではないため、個別土地へ全国倍率を直接掛けてはいけません。

公示地価と実勢価格の乖離はどれくらいか

結論は「全国では成約単価のほうが高い区分が多いが、公示・基準地価との乖離率を個別土地へ掛けてはいけない」です。

N=1,222のうち、成約単価が地価を上回る区分は96.4%(1,178セル)、下回る区分は3.6%(44セル)でした。乖離率の四分位範囲は+55.36%〜+149.95%です。

この分布は、地域や物件種別によって差が大きいことを示します。全国値だけで売却価格を決めず、自分の地域と物件種別へ絞る入口として使う数値です。

乖離率の計算式と、そのまま使えない理由

本記事の乖離率は、次の式で計算しています。

乖離率 =(成約単価中央値 − 地価中央値)÷ 地価中央値 × 100

成約単価と地価は、どちらも円/㎡の中央値です。市区町村コードで結合し、市×物件種別ごとに成約N≥30、地価N≥5を満たす区分だけを残しました。

分子の成約単価は「宅地(土地と建物)」または「中古マンション等」です。土地価格だけではなく、建物価値を含む場合があります。

一方、国土交通省の地価公示は、毎年1月1日時点の標準地について公示される正常な価格です。

一般の土地取引の指標、不動産鑑定の規準、相続評価・固定資産税評価の基準として使われます。

公示地価は、固定資産税評価額や相続税路線価そのものではありません。実勢価格は実際の取引で成立した価格です。

本分析は市区町村の中央値比較であり、同一土地の一対一比較ではありません。

したがって、+89.98%は「公示・基準地価にこの率を足せば売れる」という換算率ではありません。

対象地点、用途、面積、接道、形状、取引時点をそろえない限り、個別土地の価格判断には直用できません。

全国714市で見た全体像

集計に使った成約データは620,296件です。内訳は中古マンション等372,202件、宅地(土地と建物)248,094件です。

地価データはN=41,416地点で、公示地価25,994地点、基準地価15,422地点を使いました。成約と地価を市区町村単位で結び、価格は中央値で比較しています。

物件種別を分けると、宅地(土地と建物)は+77.86%(N=679セル)、中古マンション等は+110.08%(N=543セル)でした。

中古マンション等の数値が大きいだけで、土地市場の乖離が大きいとは言えません。

専有面積を分母にした建物込みの成約単価と、土地だけの地価では価格の意味が異なるためです。

都道府県ごとの違い

宅地(土地と建物)の都道府県別中央値には、次の差がありました。

都道府県 乖離率中央値 N
新潟県 +224.68% 11セル
栃木県 +202.11% 11セル
茨城県 +179.24% 21セル
滋賀県 +130.44% 11セル
宮城県 +102.89% 15セル
広島県 +58.81% 18セル
奈良県 +43.92% 23セル
東京都 +40.45% 49セル

この表から確認できるのは、対象セルの中央値に差があることまでです。

取引量、地価地点の配置、物件条件を調整した因果分析ではないため、「地域属性が差の原因」とは断定できません。

自分の地域を読むときは、順位よりNを先に確認します。そのうえで、同じ市区町村、同じ物件種別、近い面積・立地の成約事例へ絞り込みます。

住宅地・商業地・工業地で違う

用途と物件種別を分けると、比較口径の違いがより明確になります。

用途 物件種別 乖離率 N
住宅地 宅地(土地と建物) +77.78% 669セル
住宅地 中古マンション等 +115.32% 530セル
商業地 宅地(土地と建物) −4.62% 267セル
商業地 中古マンション等 +18.84% 267セル
工業地 宅地(土地と建物) +109.83% 177セル

公示地価の中央値は、住宅地83,500円/㎡(N=16,037地点)、商業地185,000円/㎡(N=5,164地点)、工業地70,800円/㎡(N=2,189地点)でした。

同じ全国集計でも、住宅地と商業地では結果が反対方向になる場合があります。

物件所在地の用途と、比較対象の物件種別をそろえない数値は、売却判断の材料として弱くなります。

地価ソース別では、公示地価が+92.21%(N=706セル)、基準地価が+108.59%(N=617セル)でした。どちらを参照したかも比較条件として残してください。

公示地価を成約単価が下回る都市

成約単価が地価を下回る区分もあります。宅地(土地と建物)では、福岡市中央区−58.65%(N=成約102・地価64)、大阪市中央区−46.21%(N=成約35・地価60)でした。

京都市中京区は−45.35%(N=成約338・地価38)、東京の港区は−19.72%(N=成約78・地価110)です。

反対に、甲賀市は+516.11%(N=成約86・地価42)、上川郡東神楽町は+447.93%(N=成約32・地価8)、福島県伊達市は+445.51%(N=成約47・地価25)でした。

大きな正負の値は、個別物件へ使う倍率ではなく「比較条件をさらに絞る必要がある」という注意信号です。特に建物込み単価と土地のみの地価を比べる限界を先に確認します。

比較・保存・保留・相談の順で使う

まず、公示地価の調べ方に沿って近い標準地を確認し、基準地価と公示地価の違いを区別します。評価時点、用途、駅距離、接道、容積率を控えます。

次に、地域・駅の成約相場を確認し、同じ用途・近い面積の成約事例へ絞ります。土地のみと土地建物を混ぜず、形状、接道、権利、建物状態も比較条件へ加えます。

地価公示と路線価の違い固定資産税評価額と実勢価格も分けて確認します。比較した地域、物件種別、期間、N、評価時点を保存してください。

条件がそろわないときは、結論を保留するのが合理的です。

世田谷区でも中古マンション等は+23.84%(N=成約6,806・地価188)、宅地(土地と建物)は+33.14%(N=成約1,986・地価188)と種別で差があります。

個別の売却可能額が必要なら、全国倍率ではなく近隣の同種成約を基に査定で確認します。

税務や相続の評価は目的と基準日が異なるため、対象資料をそろえて専門家へ確認してください。

集計条件: 出典は国土交通省の不動産情報ライブラリおよび地価公示・基準地価。

成約期間は2021年〜2025年。単位は円/㎡、価格は中央値。市区町村コードで結合し、成約N≥30・地価N≥5の区分を対象としています。

検証済みファクト

summary

  • #1全国714市全国714市・1,222セルの乖離率中央値は+89.98%。
    +89.98%(全体乖離率中央値)1,222(集計セル数)N=1,222

    条件: 714市・全type

  • #2実勢が評価を上回るセル実勢が評価を上回るセルは96.4%、1,178セル。
    +96.4%1,1781,222N=1,178 / 全セル1,222
  • #3実勢が評価を下回るセル実勢が評価を下回るセルは3.6%、44セル。
    +3.6%441,222N=44 / 全セル1,222
  • #4乖離率四分位範囲乖離率の四分位範囲は+55.36%〜+149.95%。
    55.36%102.655%149.95%
    1,222N=1,222

property-type

  • #5宅地(土地と建物)宅地(土地と建物)の乖離率中央値は+77.86%。
    +77.86%679N=679
  • #6中古マンション等中古マンション等の乖離率中央値は+110.08%。
    +110.08%543N=543

sample

  • #7成約データ成約データ総件数は620,296件。中古マンション等372,202件、宅地(土地と建物)248,094件。
    620,296372,202248,094N=620,296
  • #8地価データ地価データは41,416地点。公示25,994地点、基準15,422地点。
    41,41625,99415,422N=41,416

prefecture

  • #9新潟県宅地(土地と建物)の都道府県別乖離率は新潟県が+224.68%。
    +224.68%11N=11
  • #10栃木県栃木県の乖離率は+202.11%。
    +202.11%11N=11
  • #11茨城県茨城県の乖離率は+179.24%。
    +179.24%21N=21
  • #12滋賀県滋賀県の乖離率は+130.44%。
    +130.44%11N=11
  • #13宮城県宮城県の乖離率は+102.89%。
    +102.89%15N=15
  • #14東京都東京都の乖離率は+40.45%。
    +40.45%49N=49
  • #15奈良県奈良県の乖離率は+43.92%。
    +43.92%23N=23
  • #16広島県広島県の乖離率は+58.81%。
    +58.81%18N=18

land-use

  • #17住宅地×宅地(土地と建物)住宅地×宅地(土地と建物)の乖離率は+77.78%。
    +77.78%669N=669
  • #18住宅地×中古マンション等住宅地×中古マンション等の乖離率は+115.32%。
    +115.32%530N=530
  • #19商業地×宅地(土地と建物)商業地×宅地(土地と建物)の乖離率は−4.62%。
    -4.62%267N=267
  • #20商業地×中古マンション等商業地×中古マンション等の乖離率は+18.84%。
    +18.84%267N=267
  • #21工業地×宅地(土地と建物)工業地×宅地(土地と建物)の乖離率は+109.83%。
    +109.83%177N=177

source

  • #22公示地価公示地価の乖離率中央値は+92.21%。
    +92.21%706N=706
  • #23基準地価基準地価の乖離率中央値は+108.59%。
    +108.59%617N=617

land-use-price

  • #24住宅地住宅地の公示地価中央値は83,500円/㎡。
    8万円16,037N=16,037
  • #25商業地商業地の公示地価中央値は185,000円/㎡。
    19万円5,164N=5,164
  • #26工業地工業地の公示地価中央値は70,800円/㎡。
    7万円2,189N=2,189

city-low

  • #27福岡市中央区宅地(土地と建物)の乖離率は福岡市中央区で−58.65%。
    -58.65%N=102 / 地価64
  • #28大阪市中央区大阪市中央区の乖離率は−46.21%。
    -46.21%N=35 / 地価60
  • #29京都市中京区京都市中京区の乖離率は−45.35%。
    -45.35%N=338 / 地価38
  • #30港区(東京)港区(東京)の乖離率は−19.72%。
    -19.72%N=78 / 地価110

city-high

  • #31甲賀市甲賀市の乖離率は+516.11%。
    +516.11%N=86 / 地価42
  • #32上川郡東神楽町上川郡東神楽町の乖離率は+447.93%。
    +447.93%N=32 / 地価8
  • #33伊達市(福島)伊達市(福島)の乖離率は+445.51%。
    +445.51%N=47 / 地価25

city-example

  • #34世田谷区世田谷区の中古マンション等の乖離率は+23.84%。
    +23.84%N=6,806 / 地価188
  • #35世田谷区世田谷区の宅地(土地と建物)の乖離率は+33.14%。
    +33.14%N=1,986 / 地価188

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データ出典・集計条件

国土交通省 不動産情報ライブラリを確認
データ期間:
2021年 Q12025年 Q4
更新日:
2026-07-31
出典SQL:
queries/T-037.sql
集計条件:
  • 出典: 国土交通省 不動産取引価格情報・成約価格情報(成約)/ 地価公示・基準地価(地価)
  • 期間: 成約2021年第1四半期〜2025年第4四半期
  • 結合キー: city_code。714市・市×物件種別の1,222セル
  • 単位: 円/㎡。成約unit_price中央値と地価current_price中央値を比較
  • 乖離率 = 100×(成約単価中央値−地価中央値)/地価中央値
  • 対象: 成約N≥30・地価N≥5のセル
  • 口径差: 公示・基準地価は土地のみ。成約unit_priceは建物価値を含む場合がある