制度・税金分析レポート更新日: 2026-08-18

マンション 値下がり 築年数別の実データ: 何年落ちでいくら下がる?

中古マンションの築年数別㎡単価を2025年成約41,140件から集計。築10-15年で新築比81.8%、築20-25年で56.0%、築30年で25-30%。地域差(東京23区は緩い)と、このデータから言えないことも併記します。

マンションは築年数でいくら値下がりする?

答え: 全国の2025年成約(中古マンション等・n=41,140)を築年別に見ると、㎡単価中央値は築0-5年の840,000円/㎡から、築10-15年で687,500円/㎡(新築比81.8%)、築20-25年で470,588円/㎡(56.0%)、築30-35年で212,500円/㎡(25.3%)へと下がります。 ただしこれは「同一のマンションが経年で下がった値」ではなく、各築年層で売られた別物件の横断面です。立地とグレードの差が混在しており、そのまま自分の物件に当てはめられない点は最後に整理します。

築年数 ㎡単価中央値 新築(築0-5年)比 件数
築0-5年 840,000円/㎡ 100.0% 2,431
築5-10年 720,000円/㎡ 85.7% 4,085
築10-15年 687,500円/㎡ 81.8% 3,384
築15-20年 470,588円/㎡ 56.0% 4,546
築20-25年 470,588円/㎡ 56.0% 4,959
築25-30年 350,000円/㎡ 41.7% 5,201
築30-35年 212,500円/㎡ 25.3% 4,571
築35-40年 214,286円/㎡ 25.5% 3,528
築40-50年 220,000円/㎡ 26.2% 5,665
築50年超 173,333円/㎡ 20.6% 2,770

読み方のポイントは3つです。第一に、下がり方は一律ではなく、築10-15年までは緩やか(新築比8割前後)、築15-25年で5割台まで下がり、築30年前後で一段落ちて2-3割で横ばいになる形です。第二に、築30年を過ぎると新築比25%前後でほぼ止まります。これは「残る物件」と「スクラップされる物件」の選別が働くためで、値下がり曲線がゼロに向かうわけではありません。第三に、築35-40年と築40-50年が築30-35年とほぼ同水準なのは、古い築年層で取引が成立している物件は好条件に偏っている(残存バイアス)可能性を示します。

母数・前提

集計は国土交通省「不動産取引価格情報提供制度」の成約・取引データ(アプリ内 derived データ)のうち、2025年の成約に限定した中古マンション等41,140件です。単価は㎡単価の中央値。築年数は「成約年−建築年」で計算し、大規模修繕歴やリフォーム歴、面積・階・駅距離・間取りの物件条件は調整していません。ビンごとの件数は表のとおりで、すべてN=2,000以上です。

地域差: 東京23区は下がり方が緩い

同じ2025年成約でも、地域によって築年カーブの傾きが変わります。

地域 築0-5年 築20-25年 築30-40年 2025年成約n
東京23区 1,520,779円/㎡ 1,000,000円/㎡(65.8%) 600,000円/㎡(39.5%) 9,565
神奈川県 925,824円/㎡ 552,941円/㎡(59.7%) 300,000円/㎡(32.4%) 4,580
大阪府 927,922円/㎡ 471,429円/㎡(50.8%) 246,154円/㎡(26.5%) 5,329
愛知県 640,000円/㎡ 285,714円/㎡(44.6%) 173,333円/㎡(27.1%) 3,319
福岡県 661,538円/㎡ 341,176円/㎡(51.6%) 200,000円/㎡(30.2%) 1,925

(カッコ内は築0-5年比)

東京23区は築30-40年でも新築比39.5%と、全国平均(25.3%)より明確に高い水準を保ちます。需要の厚さと、古い物件でも立地価格が下がりにくい構造が反映されていると読めます。一方、愛知県は築20-25年で新築比44.6%と、主要県の中で最も早く5割を切ります。地域ごとの差が大きいため、「全国の値下がり率」をそのまま自分のエリアに適用しないことが実務上重要です。

「築年数の値下がり」と「相場の年変動」は別物

同じ築年ビンでも、成約年によって単価は変わります。築20-25年の中央値を成約年別に並べると:

成約年 築20-25年㎡単価中央値
2021年 230,384円/㎡
2022年 262,829円/㎡
2023年 287,500円/㎡
2024年 326,316円/㎡
2025年 470,588円/㎡

築20-25年の物件価格はこの5年間で約2倍上昇しています。これは地価上昇・インフレ・金利環境・取引物件の構成変化が混ざったもので、「築年を重ねるごとに下がる分」と「相場全体が上がった分」が相殺し合っていることを示します。「築年数表の値を過去に遡ってそのまま適用する」ことや、逆に「近年の上昇が続く前提で将来を計算すること」はどちらも成り立ちません。将来の下落時期の見通しはマンション価格下落 いつ(T-060)で、予言ではなく過去実績と直近観測を分けて確認できます。

このデータから言えないこと

  1. 同一物件の年々の下落率ではない。 横断面データであり、各築年層は別の物件集団です。
  2. 特定の物件の適正価格ではない。 面積・駅距離・階・間取り・管理体制を調整していないため、個別物件の査定には成約条件をそろえた比較が必要です。
  3. 将来の下落率の保証はない。 過去の横断パターンは、人口動態・金利・供給量の将来を含みません。
  4. 残存バイアスがある。 古い築年層で取引されるのは「市場に残るだけの条件を持つ物件」に偏るため、下落幅を過小評価する方向に働く可能性があります。
  5. 大規模修繕・リフォームの効果は分離していない。 修繕済み物件と未実施物件が同じビンに混在します。

次の判断

  • 今の相場を確認する: 自分の駅・市区町村の成約データはトップの相場検索から確認できます。築年数別の中央値と、自分の物件の条件(面積・階・駅距離)を並べて見るのが出発点です。
  • 売却時期を考える: 築年数以外の判断材料(ローン残高・修繕積立金・生活計画)と組み合わせた整理は空き家を持ち続けるといくら損するか(T-367)の保有コスト比較が参考になります。
  • 査定で条件をそろえる: 全国・地域の統計は前提の点検用です。個別の売却判断には、同一条件の成約比較に基づく査定を取ります。

方法と更新時点

集計方法: 国土交通省「不動産取引価格情報提供制度」の2025年成約データ(アプリ内 derived/stations の recentSamples)から「中古マンション等」を抽出し、築年数(成約年−建築年)でビン分割、㎡単価の中央値を算出。地域別集計は市区町村コード接頭辞(13=東京特別区、14=神奈川、27=大阪、23=愛知、40=福岡)でフィルタしました。データ確認は2026年8月18日。成約価格情報と不動産取引価格情報の両方を含み、収集方法の異なる両集計を同一ビン内で混在させている点は限界として記録します。

この記事の前提と根拠

検証済みファクト・集計方法・出典を確認する

このレポートの要点

  • 大阪府・愛知県・福岡県+26.5%

    大阪府(n=5,329)は築30-40年で新築比26.5%、愛知県(n=3,319)は27.1%、福岡県(n=1,925)は30.2%。人口集中県でも築30年を超えると新築比3割前後まで下がる。

  • 全国・2025年成約の中古マンション等

    全国の2025年成約(中古マンション等n=41,140)を築年ビン別に集計すると、㎡単価中央値は築0-5年の840,000円/㎡に対し築10-15年で687,500円/㎡(81.8%)、築20-25年で470,588円/㎡(56.0%)、築30-35年で212,500円/㎡(25.3%)と築年が進むほど低い。ただし同一物件の追跡ではなく時点の横断面であり、立地・グレードの選択バイアスを含む。

  • 東京23区

    東京23区(2025年成約n=9,565)では築年による単価の低下が全国より緩く、築20-25年で1,000,000円/㎡(新築比65.8%)、築25-30年で857,143円/㎡(56.4%)、築30-40年でも600,000円/㎡(39.5%)。

  • 神奈川県

    神奈川県(2025年成約n=4,580)は築20-25年で552,941円/㎡(新築比59.7%)、築25-30年で471,429円/㎡(50.9%)、築30-40年で300,000円/㎡(32.4%)と、東京23区より低下幅が大きい。

検証済みファクト

answer

  • #1全国・2025年成約の中古マンション等全国の2025年成約(中古マンション等n=41,140)を築年ビン別に集計すると、㎡単価中央値は築0-5年の840,000円/㎡に対し築10-15年で687,500円/㎡(81.8%)、築20-25年で470,588円/㎡(56.0%)、築30-35年で212,500円/㎡(25.3%)と築年が進むほど低い。ただし同一物件の追跡ではなく時点の横断面であり、立地・グレードの選択バイアスを含む。
    840,000(築0-5年・㎡単価中央値(n=2,431))687,500(築10-15年(n=3,384)・新築比81.8%)470,588(築20-25年(n=4,959)・新築比56.0%)212,500(築30-35年(n=4,571)・新築比25.3%)173,333(築50年超(n=2,770)・新築比20.6%)

    条件: 2025年1-12月成約・中古マンション等・全国。成約価格情報と不動産取引価格情報を含む。物件条件(面積・駅距離・階・間取り)は未調整

regional

  • #2東京23区東京23区(2025年成約n=9,565)では築年による単価の低下が全国より緩く、築20-25年で1,000,000円/㎡(新築比65.8%)、築25-30年で857,143円/㎡(56.4%)、築30-40年でも600,000円/㎡(39.5%)。
    1,520,779(築0-5年(n=638))1,000,000(築20-25年(n=1,379)・新築比65.8%)600,000(築30-40年(n=1,017)・新築比39.5%)

    条件: 東京都特区部(cityCode 13xxx)の駅単位サンプル集計。2025年成約・中古マンション等

  • #3神奈川県神奈川県(2025年成約n=4,580)は築20-25年で552,941円/㎡(新築比59.7%)、築25-30年で471,429円/㎡(50.9%)、築30-40年で300,000円/㎡(32.4%)と、東京23区より低下幅が大きい。
    925,824(築0-5年(n=236))552,941(築20-25年(n=595)・新築比59.7%)300,000(築30-40年(n=932)・新築比32.4%)

    条件: 神奈川県(cityCode 14xxx)の駅単位サンプル集計。2025年成約・中古マンション等

  • #4大阪府・愛知県・福岡県大阪府(n=5,329)は築30-40年で新築比26.5%、愛知県(n=3,319)は27.1%、福岡県(n=1,925)は30.2%。人口集中県でも築30年を超えると新築比3割前後まで下がる。
    +26.5%(大阪府・築30-40年の新築比(n=813))+27.1%(愛知県・築30-40年の新築比(n=706))+30.2%(福岡県・築30-40年の新築比(n=518))

    条件: それぞれの府県の駅単位サンプル集計。2025年成約・中古マンション等

panel

  • #5築年ビン×成約年のパネル(全国)同じ築年ビンでも成約年によって単価は変わる。例えば築20-25年の中央値は2021年230,384円/㎡→2024年326,316円/㎡→2025年470,588円/㎡と上昇している。これは地価上昇・インフレ・取引構成の変化を含み、「築年を重ねるごとの同一物件の下落率」とは別物である。
    230,384(築20-25年・2021年成約中央値)326,316(築20-25年・2024年成約中央値)470,588(築20-25年・2025年成約中央値)

    条件: 全国・中古マンション等。各年n=4,000前後(ビン単位)。成約年ごとの経済環境と物件ミックスの両方が混在

caveat

  • #6このデータから言えないことこの集計は横断面比較であり、(1)同一マンションが年々いくら下がるか、(2)特定の物件の適正価格、(3)将来の下落率、は示せない。古い築年層で取引される物件は「市場に残るだけの条件(好立地・管理体制・耐震性能)」を持つものが多く、残存バイアスが下落幅を過小評価する方向に働く可能性もある。

    条件: 統計的限界の明示。ヘドニック調整(面積・駅距離等の統制)は未実施

データ出典・集計条件

国土交通省 不動産情報ライブラリを確認
データ期間:
20212025
更新日:
2026-08-18
出典SQL:
derived/stations/*.json recentSamples(中古マンション等)の集計。2025年成約n=41,140・集計スクリプトは本文「方法」に記載
集計条件:
  • 確認日: 2026-08-18。集計は国土交通省「不動産取引価格情報提供制度」由来の成約・取引サンプルをアプリ内 derived データとして集計
  • 単価は㎡単価(円/㎡)の中央値。面積・階数・駅距離・間取りなどの物件条件は調整していない
  • 築年数は成約年−建築年で計算。大規模修繕歴・リフォーム歴は考慮していない
  • 同一築年ビン内でも立地と物件グレードの選択バイアスがある(古い築年の取引は好立地・高耐久物件が残りやすい)
  • ビンごとの件数Nを必ず併記し、N<30のビンは数字を表示しない

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この記事の前提は汎用の説明例です。ご自身の物件条件をそろえて、 成約データの観点から相場を確認できます。

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